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【映画】「パッドマン 5億人の女性を救った男」

こんにちは。つづみです。

 

このブログの初投稿ということですが

映画の感想をゆるく書きたいと思います。

 

 

「パッドマン 5億人の女性を救った男」

 

女性用生理用品のナプキンが高級なため普及していなかったインドで

妻のために安価なナプキンを手作りした結果、インド中の女性を救った男性の話です。

 

 

映画の口コミサイトでとても評判が良かったため

興味を持ち観てみました。

 

 

インドの文化を知らなかったため

劇中で、生理がきた女性は日常生活から除外され、

人と接してはいけないというしきたりを知りました。

 

 

日本でもありますが

女性は神棚に触ってはいけない、だとか

女性が入ってはいけない場所がある、だとか

女性は生理によって血が出るから禁じられていることがあります。

 

古い考えなので否定はしませんが

生理はもちろん病気ではなく、むしろ健康な女性の証となるわけです。

 

映画では、女性は生理がきた瞬間に急いで別室へいきます。

家族で食事をしているときでも、デートを楽しんでいるときでもです。

 

そして、

生理が終わるまでの5日間、隔離されて生活するのです。

 

妻が生理がきたことを何も言わず、

逃げるように外へ出て行ったことに違和感を持った主人公は

翌日、汚い布を干している妻に驚愕します。

”そんな汚い布を体に宛てがっているのか”と。

 

もっと清潔な布を使うように説得しますが

生理は恥ずかしいもの、隠すべきものと教育を受けてきた妻は

全くいうことを聞きません。

 

薬局に行き、清潔なナプキンを購入したところ

日常的には手が出ないほどに高額で、それも妻は拒みました。

 

女性が生理を隠し、隔離される国です。

男性がナプキンを購入し持ち歩くなど変態扱いを受けます。

 

主人公は、ただまっすぐで、ただ妻を愛していたせいで

周りの目を気にせずに突っ走ってしまうのです。

 

 

私は青春時代を女子校で過ごしたこともありますが

生理について話すことに抵抗がありません。

 

生理だけではなく、性についても

内容によっては恥や照れなどはありますが

話すこと、理解することに無駄はないと思っています。

 

パートナーを含め、男性にも

生理がなぜつらいのか、生理痛はなぜ起こるのかを説明したことがあります。

私はそれほど生理痛がひどいほうではありません。

 

知識がない相手に

”生理なんだからもっと気遣ってよ”と要求することは傲慢だと思います。

 

だから、その知識をつけてもらう。

無知による勘違いや偏見は、知識によって減らすことができるのです。

 

少し感情的になっただけで

”生理なのか?”と言われ嫌な気持ちになったことがある女性も少なくはないと思います。

 

女性でも、知らないがゆえに取り返しのつかないことが起こる可能性はあるのです。

 

生理が遅れたり、その出血は実は異常だったり、

自分の身体だからこそいつもと違うことにすぐに気付いてあげるべきなのです。

 

 

この映画の主人公も

不潔な布を使うことで病気になる可能性があるということを知ったから

自分で清潔なナプキンを手作りするという行動に移ったのです。

 

学歴もなく、ビジネスの経験もない男性が

妻への愛情だけでナプキンの製作を始めますが

目的が金儲けではないことがネックになってしまうのです。

 

 

この映画を見た女性は

”男性に見て欲しい”と感じるかもしれません。

 

こんなにも妻の生理と向き合い、

いろんなものを犠牲にしても彼女の身体を守りたいという

愛情の強さに、憧れを感じるかもしれません。

 

生理という言葉にすら抵抗を感じる男性にとっては

”生理のときはいつも以上に優しくしろ”と無言の圧力をかける女性こそ

抵抗の原因だと思うのです。

 

生理は女性の特権ではありません。

 

私は、女性が見るべき映画だと思いました。

生理がきた女性を隔離させることをただ”かわいそう”と思うのではなく

宗教的な意味も踏まえて、文化だから仕方ないけど、”違和感”を感じて欲しい。

 

そして、

知識ある医者は病気の可能性を謳っているにも関わらず

当事者であるはずの女性は恥ずかしがり、

女親などに教わった習慣を変えようと思わないのです。

 

知識がないことがどれほど自分を危険に晒すことになるのか、

しっかりと考えて欲しいと感じました。

 

知識ある女性が増えること、

無知な女性が減ることで、

女性特有の病気の予防や、望まない妊娠は減ると思うのです。

 

それはもちろん男性も然りですが

女性が自分自身のことを知った上で男性にも知ってもらうことに繋がると思います。

 

 

話がだいぶ逸れましたが、、、

 

映画では結果として

安価なナプキンの製作に成功し、

ナプキン普及のため営業・販売として女性を雇い

経済面でも健康面でも女性を救いました。

 

彼の講演会で話していた内容にはこうありました。

女性は月に5日間なくしてしまう、

1年で60日、つまり2ヶ月。

男性には12ヶ月あるのに女性には10ヶ月しかない。

 

確かに、なんと不平等なのでしょう。

 

同じように生活しているはずなのに

1年のうち2ヶ月の間隔離されなければならないなんて。

 

生まれ育ってきた環境に疑問を持つことは難しいのに

彼はそのシンプルな疑問を向き合い続けたのです。

 

 

彼が戦ったのは恋敵でもなく、

目指したのは金持ちでもなく、

文化を変えることでした。

 

恥ずかしいことを恥ずかしくないと感じることは

予想以上に難しいと思います。

 

それを払拭し、

インド中の女性に清潔なナプキンを届けた彼は

本当のヒーローだと感じました。

 

文化、思考、ビジネス

全てにおいて感銘を受ける映画です。