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【映画】母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。

20192月に公開された映画『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。

自分の母親は絶対に死なないと思っている方は観るべき作品だと思います。

 

 

主人公はかなりマザコンな息子、サトシ。

末っ子で病弱だったということもあり、小さい頃から甘えん坊で泣き虫、情けない男の子です。

 

大人になり働くようになっても実家に暮らしていて、

お母さんはいつもサトシが仕事から帰ってくるのを待っています。

 

そんなお母さんが末期ガンと診断されるのです。

 

徐々に弱っていく母は、死ぬ準備を始めます。

サトシは、そんなことするなと準備を許しません。

 

ふたりの間に入り、うまく取り持っていくのが

サトシの恋人・真里です。

 

サトシと真里が、最期まで母を支え、そのときを迎えます。

 

いつまでも死を受け入れられないサトシ、

酒に溺れボロボロになっていく父、

看病ができなかったことを後悔している兄。

これほどまでに母親の存在は大きかったのかと感じられます。

 

いくら末期ガンだとしても

死ぬ準備なんかしてほしくない、そんなことしたらほんとに死んでしまう、

という現実を受け入れられない子供のような感情がリアルに感じられ、

母に対して自分は一生子供なんだなと思います。

 

 

 

1年後、

小さい頃の病気が原因で子供を作れない身体だったサトシの元に

亡くなった母が大事に残してくれた大切なものの知らせが届きます。

 

 

 

 

 

 

安田顕のマザコン具合がたまらない】

 

声が渋いオジサン俳優、安田顕

実は私がこの映画を観たきっかけは安田顕さん主演ということです。笑

 

中年男性の、自由な女性に振り回されて困ったような表情が似合う俳優さんです。

 

今回の映画のタイトルからマザコン役なのかなと一瞬思いましたが、

いやいや、あの渋い安田顕がまさか!と思っていました。

 

しかし、安田顕の役は思いっきりマザコンです。

 

ただのマザコンではありません。絶妙な味のあるマザコンに仕上がっていました。

 

亡くなった母に話しかけるシーンも、泣きながら母に抱きつくシーンも

彼の演技に涙が止まらなくなります。

 

 

 

 

自分の死がもし、突然の死ではなく、準備期間のある死なら、

自分で遺影の写真を選びたい、

好きなことに時間を使いたい、と思うのでしょう。

 

 

逆に

大切な人が死を感じて準備を始めたら

私は素直に手伝ってあげられるのでしょうか。

 

 

 

 

 

映画館でこの映画を観ましたが、

若いお客さんはほとんどおらず、熟年と呼べる年代の方が多くいました。

 

おじさん~おじいちゃんの年代の方たちの

すすり泣く声が聞こえて、母を想っているのだなあとつられて涙が流れます。

 

私はまだ家族を亡くしたことはありませんが

母の最期には隣にいたいと強く思う映画でした。