今日の気分はどうだい?

映画、小説、料理などなど。

【映画】デイアンドナイト

こんにちは。つづみです。

 

 

初回に引き続き、映画の感想を。

 

山田孝之がプロデュースということで

観たいと思っていたデイアンドナイト

 

きっと暗いかんじだろうなー

闇深いんだろうなー

という気持ちで観に行きました。

 

ちなみに、

読む小説も、観る映画も

だれも幸せにならないような闇深い作品ばかりですw

 

 

映画の内容は、

父親の自殺がきっかけで地元に戻ってきた明石幸次(阿部進之介)が

なぜ父が自殺したのか解明するために動きます。

その中で出会ったり、再会した人間から父がなにをしていたのか、なにをしようとしていたのか、徐々に明らかになっていきます。

 

児童養護施設を運営する北村(安藤政信)は、子供たちのために罪を犯し資金を作っていて、

明石幸次もその犯罪に手を染めることになります。

高級車を盗み売り飛ばすのですが、その手口がリレーアタックという名前だということは

映画を見た後日、ニュースでたまたま特集されていたため知りました。

 

最近は主流となっている近づくとロックが解除されるタイプのキーが対象で

玄関などに置いてある車のキーの微弱は電波をキャッチし、その電波を車に向けて飛ばすと

キーがなくてもロックを解除できてしまうというのです。

 

昼間は児童養護施設で食事を作ったり、子供たちと遊び、

夜は盗難を繰り返す日々。

 

児童養護施設で生活している高校生の奈々は

進学を望みますがそのお金はありません。

 

親に捨てられた、親が死亡している場合で

親戚などにも引き取ってもらえない状態の子供は施設で育てられるため

家庭というものをほとんど知りません。

 

勉強ができても進学を諦めることも多く、

学費が奨学金で一時的にどうにかなっても

学校、課題、バイト、一人暮らしを最初から簡単にこなせる人間はなかなかいないでしょう。

 

しかも、今までは施設で生活したため

身寄りのいない同世代の子供が常に一緒だったのに

自由にはなるけれど孤独をひときわ感じることになります。

 

そうすると、短時間で稼げるバイトを探すようになったり

学校に通わなくなりやめてしまうことも多いようです。

 

だから、施設の人間は、進学したい・できる学力のある児童にも

就職を選ばせる傾向にあると本で読みました。

 

奈々も就職が現実的だと感じながら

進学したい気持ちが抑えられなくなります。

 

進学のために親について調べようと戸籍を取り寄せ、

どこかで生きていると思っていた親がすでに死んでいたことを知ります。

 

施設オーナーの北村の意向で

いつか親が迎えに来てくれるという希望が子供には大切であるということで

絶対に親は迎えに来ない状況の子供にも断定はしませんが

希望を持たせるのです。

 

実際に、

施設にいる子供を親が迎えにくることは稀だと思います。

すでに死んでいたり、片親で生活保護を受給していたり、

子供を虐待して引き離されていたり。

 

 

もう親と一緒に生活はしていけないから自立していこう

と思うのと

いつか親と一緒に生活できるかも

次に会ったときにはもう殴らないでいてくれるかも

 とわずかな希望を持ち続けるのは

どちらが子供のためになるのでしょう。

 

 

 

私は大学生の頃、

いくつかの児童養護施設にボランティアにいったことがありました。

 

担当になった子供と1日一緒に遊ぶのですが

すぐに懐いてくれました。

5歳くらいの男の子だったので

ずっと手を繋いで、とても聞き分けの良い子でした。

 

1日が終わり別れのとき、

懐いてくれたからぐずるかな?

と思っていたら、バイバイとさらっと別れたのです。

 

この子たちは別れに慣れていました。

ぐずっても泣いても意味がないことも知っていたのです。

 

 

他の児童も

実の親が会いにきた瞬間、泣き叫びながら逃げ出したり

だれの言うことも聞かずに気を引くような行動をしたり

当たり前にあるはずだった帰る家だとか

愛してくれるはずの親がこの子たちにはないのです。

 

 

こんなに小さい子が人に甘えずに生活していることが信じられず、

自分は受けたことのないような傷を感じることしかできない私は

施設からの帰り道いつも泣いていました。

 

 

社会福祉士として児童関連の仕事を志したこともありましたが

今の私がこの子供たちを抱えられると思えず

毎日ただ落ち込むだけなんじゃないかと感じ、

その道には進みませんでした。

 

また、子供を捨てたり、虐待するような親にも

新卒で福祉士になったとしてもなめられて対等に話すことはできないんじゃないかと思いました。

 

だから、早く結婚して、早く子供を産み、

育児がひと段落したらきっと図太くなっているだろうから

そしたら他人の子供の面倒を見られるくらいの精神力が身についているかもしれない

と、密かな計画中です。

 

 

が、

まだ子供はいないので計画はかなり後ろ倒しになっていますw

 

 

そんな経験や、感情を思い出した映画でもありました。

 

 

守りたいものを守るために危険を冒すのか

復習のために人を傷つけるのか

なにもせずに感情がなくなるのを待つのか

 

 

全てがクリアになって

自分も周りも幸せになる道が見つからない場合

どうやって生きていくのでしょう。

 

 

だれもが闇や秘密を抱え

守るために人を傷つける作品でした。